フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

2023年07月15日
『フェリーあぜりあ』乗船記

7月11日(火) 9:30出港。天気快晴。伊豆諸島 1day クルーズ体験

神新汽船発着所はペリー上陸記念碑の小公園を通り過ぎて、
そのまま湾に沿って循環道路を進むと見えてくる。

フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

毎朝9:30に出航。利島~新島~式根島~神津島(週3日は反対に回る
航路)を巡り16:30に下田に帰着。島々と伊豆半島を結ぶ、生活のパイプ役
となっているこの航路だが、最近ブロガーなどの影響で、島に降り立たずに、
そのまま諸島を船から眺めて戻る「1 day クルーズ」が新たな観光の
形として見えてきた。

フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

新造の大型船「あぜりあ」にはツインベット・リビング・シャワールームの
ついた豪華な1等室が1室だけ設けられており、今日はここに入室させて
もらえる半日の船旅に、最初から気持ちが昂ぶっていた。

フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

伊豆半島に続き、フィリピン海プレートに乗っかって本州に突き進んでいる
島々が、それぞれの地質的な歴史を刻みながら、いったいどんな現在の
姿になっているのだろう?

フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

豪華な船室の快適さに縛られながらも、いよいよ島が近づいて汽笛が鳴ると
そわそわ落ち着かなくなる。ハッチを開けて出ると1等室のために専用に
仕切られたデッキ。もう利島が正面に。

フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

すっぽりと雲を頭にかぶった利島。今日は記録的な猛暑日だが、上の方は
蒸気に冷やされているのかもしれない。そう思うと逃げ場のない暑さが
いくぶん楽になったように。

フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

三角形の分かりやすい形をした利島は標高508m。この山に毎年
登るという伊豆諸島ファンの言葉をふと思い出して、雲に覆われた
稜線の先を、あれこれ想像してみる。

フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

気流の渦巻く島の周辺は、デッキに立っていると、突如強風に見舞われ
飛ばされそうになる。ゆっくり島の側面に船が回り込むと、今度は
切り立った断崖に波が打ち返し、険しい別の表情が伺われる。

フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

そして遭遇する無人島…鵜渡根島。般若の鼻筋のように痩せて
尖っている。

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釣船や渡船の常連には馴染みの、イシダイ、カンパチ、マグロなどの
大型魚を狙う釣り場。ただ今日は凄腕のアングラーとしてよりも、クルーズの
旅行者として、この島影に圧倒されている自分に満足。どんなドキュメンタリーも
恐怖映画も遠く及ばないだろう。

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明治の頃、新島から数人が移住して、ごく短い期間生活を営んでいたとか。
頂上部の僅かな平地に小屋を建て、雨水に頼っての毎日だったとの
記録も。養蚕を生活の糧にしていたことについては、何をどうして…どのように?
まったく見当がつかない。

フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

きょう一番大きな新島までもう間もなく。ここも雲が靡きながら途切れずに
纏わりつき、島の大半を隠していた。

フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

新島は若者の海水浴のメッカとして、いまでも根強い人気がある。
流紋岩の岩質のため、海岸や崖が眩しいほど白く輝いている。
平らに見える島が、じつは海抜432mの宮塚山を抱え、あのそそり立つ
鵜渡島の208mをはるかに凌いでいる。

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人口550人の温泉豊富な式根島は観光客の集まるのどかな島。
溶岩流の一枚岩で出来ているとか。島民の来遊者へのウェルカムな
気持ちが溢れていて、民宿では漁で獲れた美味しい地魚が食べられる。
そんな思い出の式根島を足早に過ぎると…

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祇苗島(ただなえじま)。都神津島村に属する無人島。その存在を初めて知り
しかも忘れられない島に。寓話的なのどかさと火山島の迫力。ととのった
島影は、どことなく愛嬌も漂って。

フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

そしていよいよ最後の神津島。伊豆諸島全体に分布する流紋岩は、時折
激しい熱変成を受けると、透明な白さから黒ガラスのような正反対の耀きを
産みだす。この島の岸壁には、厚い黒曜石の層がのたうつ大蛇のように、
ずっと続いている。

フェリーあぜりあで伊豆諸島 1day クルーズ…体験記

埠頭では接岸して、乗船者の入れ替えと物資の乗り降ろしの僅か10~15分。
伊豆諸島西端の有人島「神津島」は伊豆の島々を作るために神々が集まって
話しあった場所「神集島」と呼ばれていた。
黒曜石は石器時代や縄文時代を通じて大量に本州に運ばれている。

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神津島も雲が取りまいて煙ったまま。
大地創生の力が強く働いたこの島は、粘性のある流紋岩が、
噴火によって飛散せずに、膨張してそのままの体積で冷え固まった
溶岩ドームがいくつか。572mの天上山がその最高点となる。

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諸島の島々に渦巻いていた厚い雲が、ところどころ千切れて宙に舞い、
戯画の動物たちのように楽しそう。

神津島は下田からの距離が一番遠いので、これから船は2時間以上かけて、
下田港にまっすぐ向かう。

神々しい伊豆諸島の島々を1日見続けて、驚きと感動がまだ整理しきれずに、
頭に残っている。

伊豆半島の原型をそこに見た気がするが、そう言い切るには、まだしばらく
掛かりそうだ。

フェリーあぜりあ1 day クルーズ ☛ 神新汽船



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