蓮台寺「天神神社」復興整備完了

下田温泉の奥座敷といわれ、源泉地帯でもある
蓮台寺。古くは僧行基によって温泉が掘り当てられた、
という言い伝えもあります。

その蓮台寺をずっと見守ってきた天神神社が一昨年の
台風19号で大きな被害を受けてしまいました。
このほど地元区の皆さんや多くの関係者の一致協力
により、修復事業が無事完了しました。



神殿屋根の被害も元に戻り、真新しい狛犬が両脇に
据えられました。これから年月を経て風格が漂って
くるのでしょう。



天神神社の本尊は国指定重要文化財の大日如来。
早春の枝垂れ花桃が多くの人を引き付けるように
なった最近では、同じ時期にこの仏様が御開帳され
拝めるようになりました。



地元では天神様と呼ばれているこの神社。117段の
石段を数えながら登ると、巨石を抱き込むように根を
はるご神木スダジイが、敷地全体を大きな陰で
おおっていました。



ところが、大型台風の猛威にさらされ根元から倒れ
... 400年余りの命を閉じる結果に。



代わりに植えられた苗木。また雪の天城峠を過ぎて
蓮台寺を訪れた文豪幸田露伴が、穏やかな出湯の
里を俯瞰して読んだ...



＜ 湯の村や ゆめばかりなる 春の雪 ＞ の句碑も
並んで建てられ、未来永劫にわたる安寧と発展を
願う、地域の皆さんのお気持ちが留められています。



吉田松陰寓寄処の湯船。松陰が密航の機を伺い
ながら滞在し、疲れをほどき癒しを求めた蓮台寺の
温泉です。

なお、丘の頂上で参拝者をお迎えしていた鳥居も
倒壊してしまい、今回の復興整備によって石段の
上り口の正面に建て替えられました。

詳しくは ☛ 「天神神社・大日如来坐像」