『冬の星座と夜光虫見学クルーズ』
　12/12(土)開催 下田を遊ぶ･学ぶ 体験講座


明日から西風が強く吹くという予報で、冷え込むのではと
前もって着込んで出掛けると、思ったほどの寒さではありません。



「水温が20℃から下がらない。ワカメの種付けが難しい」 冬場の
「ワカメ狩り」の仕込みをまもなく始めるというのに、まだぬるい海水。
本日の案内役、飯田さん(船長)にとっては悩みのたねのようです。



参加されるのは吉佐美在住のご一家4名。出航の19:30を待つことなく、
岸壁につけた船の舳先から順番に乗り込みます。



最近のライフジャケットは水に浸ると膨らむ方式で、着けている
のを忘れてしまいそうな手軽さです。



準備が済むと船は水の上を滑るように動きだしました。
耳を傾けても聞こえてくるのは、船腹が水を切る音のみ。
座ると目線の高さが水面と重なるほど低く、まるで泳いでいるような
海との一体感です。



ぐんぐん闇を切って進んで、下田港の灯りが気がつくと遠くに
並んでいます。向きを変えると、遠方の船のライトや半島の
ずっと先の街なみや別荘地の輪郭が揺らいでいます。



下田港を出るときは、少し靄のかかっていた空も
だんだん澄みわたってきて、オリオン座や馴染みのある冬の星座が
あちらにもこちらにも...



そして天空の中央にはどんよりした赤みの火星が、何万光年もの
彼方に光る星に混じって、こちらににシグナルを送っています。



外防波堤の手前でエンジンを止め、照明が一斉に落ちます。
今夜の主役、冬の夜光虫は現れてくれるでしょうか？

街の明かりが届かないのっぺりした海面。網を動かすと、
まとまった幅で流れるように、さっと輝いてはすぐ消える夜光虫。
動かすモノの動きに応えて、意識が通いあっているかのよう。



夢の中のあっという間の出来事のようでした。静かにまた
稲生沢川の河口へむけて船は舵を取ります。



岸壁について1人ずつ上陸。冬の星座と夜光虫の不思議な光の
体験も無事お開きとなりました。

インストラクター紹介 ☛ 『伊豆下田マリンセンター』