「下田富士探検隊」(マリン講座)
　4月21日(日)開催。10:00～12:00

下田富士… かつては白装束に身を固めた
修験者たちも通った山。
今日は伊豆急下田駅に集合した子供達が
探検隊として、ジオや歴史を学びながら191mの
頂上を目指します。



伊豆半島の成り立ちを物語る山。
火山の溶岩の通り道が固まって出来上がった
一枚岩の山(火山の根)です。まわりの柔らかな
山体は浸食されて崩れ去りました。



登り口にある鳥居。この後ろからはおよそ
100段ほどの石段が尾根に沿って伸びています。

駿河富士、八丈富士と並び、富士山三姉妹の
一つが下田富士です。
美しい駿河富士を嫉妬しているので、この山(姉)に
登りながら「妹」を褒めてはならないのだそうです。



でもこの姉妹が顔を合わせぬよう天城山や愛鷹山が
聳えているので、実際には登山道から富士山を拝む
ことは出来ません。

はっきりと分かる尾根道です。備長炭の元になる
ウバメガシが山全体を覆っていて、ごつごつした安山岩の
山肌がウバメガシの落ち葉に覆われてます。



うねうねした道ではなく、たった一本の道が急な斜面を
上に上に向かっています。伊豆急下田駅や本郷の
家並みも見えてきました。
やはりマグマが固まってできた寝姿山が向かい側に
構えています。



斜面が浸食されて道幅が狭まった場所も。ロープに掴まって
慎重に進みます。見下ろすと山の斜面は枯葉の積もった
ゲレンデのよう。明るく照らされてどこまでも
下に続いています。



女人禁制の石塔。ちょうど五合目に差し掛かりました。
路はやや急になりますが、板状に割れ目の入った安山岩が
露呈しているので、足場には困りません。



信仰の対象だったお社のある頂上は思ったより広く、
木々に覆われて眺望はよくありませんが、
陽ざしが明るく差し込んでいます。



新しく投げ入れたお賽銭もあるようです。
祈りの場所として歴史はずっと続いています。



三百年前の富士山宝永大噴火が、下田富士に及ばぬ
よう祈願して建てた石塔。刻まれた古文字が
当時を物語っています。



鳥居をもう一度くぐり下山です。
明日は下田富士の日(4月22日)だそうです。この講座
を開催している伊豆海洋自然塾齊藤さんの発案とか。
「明日また来るんです」との事でした。



朽ち果てた巨木のわきを通り抜け、落ち葉をサラサラ
鳴らしながら下っていきます。
半島の先から大海原が広がり、伊豆七島が点々と…。



やっとふもとの石段が見えてきました。
まちの雑踏や通りの車の音も一気に鳴りだし、
修験者の山から戻ってきました。



山の裾をぐるっと回ると採石場跡。
岩の斜面が垂直にえぐられていて、この山が安山岩
(火山岩)の一枚岩であることが理解できました。

採石が続けられていたら、信仰の山がもう無かったかも
しれない、そう思い少し安堵しました。


※「マリン講座」は下田市の小学生と家族を対象にした
プログラムです。 ☛　『下田ブルーオーシャン マリン講座』